お金さま、いらっしゃい!

お金さま、いらっしゃい!の詳細

この人の「売り」は、カルト村出身者としての経験談にある、のだと前二作で思っていた。前の二作は、やはり一般的ではない体験だから、興味深く面白かった。翻って本作では…。うーん。だいたい一般社会に出てからの話になり、カルト村での体験が自分のお金の使い方に影響を与えているというのはいい。だが、それが一冊の本にするほどの内容かというとちょっと、どうだろう？カルト村出身者のお金に対する感覚と一般社会の感覚との違い。著者が認識していない部分にこそ物凄くズレがある感じがして、なんというか、微妙に気持ち悪いというか違和感ありまくりというか。いや、著者の性格が悪いとか、全くそういう方面の話ではなくて、高田氏がお金の話をするときの異様な無防備さにムズムズするっていうか。あー、これが社会に対する免疫のなさなのかしらん、悪い人がたかって来なければいいけどと心配になる。例えば、カードの支払いが遅れることの認識が、遅れると怖いですよってだけ？みたいなところとか。信用情報の方が大変だと思うのだけど。単に取り立てが怖いってだけのようにしか見えなかったので。あるいは。ダンナの親が病気だからと簡単に400万貸しますよって言っちゃうとか。息子3人もいるのに、本気でお金がないのか出したくないのか、「かやちゃんお金持ってそうだから」って、平気で「嫁さんに借りれば」っていうような親族ですよ？なんだそりゃ、家建ててもらって同居させてもらってるお前らの親だろうが！とこっちが腹立ちましたが。いや、高田さんはホントにいい人なんでしょうけど、周りにたかられてる？のに気づいてる？大丈夫？とか、まあ余計なお世話には違いないのですが心配になるし。他には、ダンナがパチンコで消費者金融に借金こさえてることに対してあんまりなんとも思ってない風とか。…なんか、なんか感覚が違う感じで、それは他の価値観が興味深いとかそういうのとも違う、ムズムズとしか言いようのない感じで。ごめんなさいね、楽しめはしなかった。