ふしぎなふしぎな子どもの物語なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書)本無料ダウンロードpdf
ふしぎなふしぎな子どもの物語なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書)
によって ひこ・田中
ふしぎなふしぎな子どもの物語なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書)本無料ダウンロードpdf - ふしぎなふしぎな子どもの物語なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書)をお探しですか? この本は著者が書いたものです。 この本には259ページあります。 ふしぎなふしぎな子どもの物語なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書)は光文社 (2011/8/17)によって公開されています。 この本は2011/8/17に発行されます。 ふしぎなふしぎな子どもの物語なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書)は簡単な手順でオンラインで読むことができます。 しかし、それをコンピュータに保存したい場合は、今すぐふしぎなふしぎな子どもの物語なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書)をダウンロードできます。
ふしぎなふしぎな子どもの物語なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書)の詳細
以下は ふしぎなふしぎな子どもの物語なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書) の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
「子どもの物語を提供するメディアは数多く存在します。本、マンガ、テレビ、アニメ、ゲーム、携帯電話。……物語が届けられるのなら、どんなメディアでもかまわないと私は思います。他のメディアが非難されたために、子どもが物語嫌いになることの方を私は恐れます。何故なら人間には物語が必要だからです。……本書は、様々なメディアの子どもの物語に起こっている変化を眺め、新しい動向を探る、ささやかな試みです」。本書の主役は「子ども」というよりもむしろ、その対義語としての成長の果てに辿り着くべきものとしての「大人」、「子ども」の物語表象における「大人」。まとめにおいて繰り出される「もし×年前(お好きな時代でかまいません)の大人が大人らしく見えていたとしても、それは単に情報量の差によって、そう振る舞って見せることがまだできた時代だった、というだけのこと」との指摘はまさに慧眼。物語における保護者機能の担い手としての、ロールプレイとしての「大人」はあり得ても、成長の帰結を担保する存在としての「大人」はもはやあり得ない。そもそも何をもって「成長」とするのか、を規定する価値判断すらその自明性を喪失してしまった以上、その宙吊り状態を佇む他ない存在という以外の仕方で、もはや「大人」は描かれ得ない。オイルショック等によって果てなき経済の成長というモデルが失効した1970年代の作品に多くのページが割かれていることは決して偶然ではない。むしろ本書の示唆の中で真に恐るべきは、成長神話の破綻どころか、ひたすらに退行化を目指す自称「大人」たちの姿。「『フランダースの犬』を観て感動した子どもたちが数年後、その舞台となった土地を訪れることによって、この物語の存在を知ったアントワープの観光局が日本人をターゲットに『フランダースの犬』観光コースや土産を作り、それ以降、『フランダースの犬』ファンの日本人がそこを聖地のように訪れる……。このスパイラルは、『フランダースの犬』の世界から一歩も外に出ないのです。外から眺めないのです。ベルギーやフランドル地方に、さほど関心がないのです」。己が醜き姿を直視することを敢然と拒絶しつつも、あくまで「大人」としての幼稚な自我に固執するこの図式は、「どこにもないどこか」としての哀れで惨めな昭和ノスタルジーa.k.a.バカのマスターベーションと完全に等しい。こんな無様を晒すくらいなら、「大人へと成長しなければならないわけでもない。そう認めてしまった方がいいと思います」。他のレビューが「偏見」との指摘を与えているように、何らの図式も論拠も示されない私見が至る所に散見される。個々の物語を取り上げるのはいいのだが、その分析から最終的に何を語ろうとしているのか、そもそもいかなる仮説に基づく分析なのか、といった点に不明瞭な点も数多観察される。種々の作品をひたすら参照するアプローチもそれはそれで立派な手法ではあるのだが、正直冗長の感は否めず、サンプル対象を絞り込んで、そこから引き出された一般則(もどき)に従って、150ページ程度に議論をまとめてしまった方が、論旨ははるかに明快に伝わっただろうに、という気がしないではない。事実、年代別の『ガンダム』や『仮面ライダー』の展開だけでも、本書における「大人」論、「子ども」論は十分にその用をなし得たように思われる。上記の他にも、個別作品への評価など苦言の余地はいくらでもあろうが、いずれにせよ、「子ども」の物語に仮託された「大人」という神話の終わりを跡づける、というその根幹部分をめぐる論説としては一定の達成は認められるだろう一冊。
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