戦後入門 (ちくま新書)本ダウンロード

戦後入門 (ちくま新書)

によって 加藤 典洋

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戦後入門 (ちくま新書)の詳細

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新書としては635頁もある大作ですが、その分量に違わず、著者の長年に渡る思索の積み重ねが、ある種の凄味をもって迫って来る、稀代の傑作です。第一部では、対米従属を追究します。江藤淳が1978年に無条件降伏に異議を唱えたことを見ることで、日本の自己回復の為の米軍撤退要求と、安全保障の為の米軍駐留要求という二律背反が示されます。そして戦前と戦後の価値観の断絶による「ねじれ」を、戦争の死者への対し方や憲法を通じて見て行きます。第二部では、世界戦争を追究します。敗戦国の価値観の転換が、米国南北戦争や普仏戦争、第一次世界大戦と第二次世界大戦との相違として示されます。ウィルソン大統領の理想主義が、南部連合崩壊の体験者としての勝者リンカーン大統領の再演であることが引かれています。そして世界戦争としての第一次世界大戦を見て行く中で、レーニンによる「平和に関する布告」とウィルソンの「14カ条の平和原則」の画期性が示されます。続く第二次世界大戦における「大西洋憲章」と「連合国共同宣言」により、「世界戦争」という概念が米英により発明されたものであることが示されます。その中で、日本のヴェルサイユ会議における「人種差別撤廃条項」提案の世界史的な意義が語られます。その流れから、「大東亜共同宣言」を見て行きます。第二次世界大戦は、ならず者国家対国際秩序の擁護者の戦いであったものが、全体主義国家グループと自由主義国家グループの戦いに成形し直されたこと、その要因は原爆使用による理念の劣化の隠蔽にあることが看破されます。そしてその劣化の流れが、無条件降伏政策であり、東京国際軍事裁判であるとされます。第三部では、原爆を追究します。無条件降伏政策の要因としての原爆開発の成功が、関係者の当時の遣り取りを追うことで、詳細に語られて行きます。原爆使用による劣化の補いとして、無条件降伏と東京裁判が必要とされ、原爆投下後の覚醒の中から、国連と憲法九条が生まれたことが、詳細な状況説明の中から示されます。そして原爆投下の責任について、語られて行きます。第四部では、戦後日本を追究します。憲法制定における戦争放棄条項が、同時に進んでいた国連の創設とのセットとなる、「崇高な理念」として要求されていたことが示されます。そしてそれを受容した日本の下支えになっていたのは、国民共通の戦争体験であるとされます。その後は、吉田ドクトリンと戦後の顕教・密教システムが詳述されて行きます。この保守本流の体制が、東西冷戦の終結、戦争世代の退場、経済の低迷という構造変化により、既に崩壊したことが説明されます。第五部は、著者による対案となります。本来セットであった国連と憲法九条に立ち帰ることが九条強化案として示され、そこに核兵器管理の歴史的背景や、フィリピンの改憲による米軍基地の撤廃経緯が詳述され、追加ます。そして強化案には、交戦権の国連への移譲、国土防衛隊の設置と治安出動の禁止、非核の宣言、外国基地の撤廃が盛り込まれたものとなっています。これだけの重要問題を歴史的背景を踏まえて考え抜かれた説明がされるので、非常に説得力があります。稀代の傑作であると言うに留まらず、今後の日本を考えるに当たっての、極めて重要な本となりました。

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