薬に頼らず子どもの多動・学習障害をなくす方法

薬に頼らず子どもの多動・学習障害をなくす方法の詳細

はじめに「食事の質」は、ちまたでよくいわれている「栄養バランス」とも「ヘルシー食」とも違い、できる範囲の糖質制限と鉄・タンパク質の十分量摂取であり、子どもの問題行動が減り、家族に笑顔か増える。「発達障害」「問題行動」の問いに明確な答えを出すことはない、医学部の６年間において栄養学を学ぶ機会はまったくなく、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの発達障害の子どもに対して薬を使うべきではない。ひとまずは栄養の改善が先決になる。第1章栄養が足りない子どもたち文部科学省が発表した調査結果(2012年)によると、発達障害の可能性の児童6.5%にのぼるとされ、自閉症は約5倍、LDは約12倍、ADHDは約11倍に増えている。(2006年比)39発達障害は、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性(こうはんせい)発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めているものをいう」と定義されている。これらの問題行動を栄養の偏りを整える栄養療法で改善していくことが出来る。質的栄養失調とは「糖質過多+タンパク質不足+脂肪酸不足+ビタミン不足+ミネラル不足」である。タンパク質は体を作るのに欠かせない材料で、人間の体を構成する成分の約7割は水、約2割はタンパク質で、タンパク質の「十分な量」は、体重50キロなら、50グラムで、成長期や何かのスホーツをしている場合、病気の回復には、その1.5～2倍を目安にタンパク質を摂取することが重要になる。朝食に卵2個(タンパク質量14g)、昼食にサンマの塩焼100g(タンパク質量19g)、夕食に鶏肉ステーキ100g(タンパク質18g)で、タンパク質は51gであり、体重50gのタンパク質必須量になる。発達障害と診断された子どもの栄養状態を見るための血液検査を行うと「鉄・タンパク不足」が必ず出る。世界では鉄不足による問題への認知が進んでいて、アメリカでは小麦に、フィリピンでは米に、中国では醤油に、東南アジア諸国ではナンプラーに、それぞれ鉄分を添加したものを販売している。今の日本は「糖質過多大国」といっても過言ではない。精製された糖質ばかりを取っていると、血糖値を上げるホルモンがたくさん必要になるため、ビタミンB群やミネラルがどんどん消費され、枯渇してしまう。「エネルギー代謝」とは、生きるために必要なエネルギーの出入りと交換のことで、まさに食べたものがエネルギーになる仕組みを指していて、エネルギー代謝の目的は「ATP」を産生することにある。ATPを作るための回路は、「嫌気性解糖」(酸素を使わず材料は糖質で、ミネラルとビタミンを大量に消費する。エネルギー不足になりやすく、疲れやすく、代謝が滞る。)と「ベータ酸化+好気性解糖」(酸素や酵素、鉄・ビタミンが必要で、エネルギーが十分に産生され、代謝がよくなり、元気になる)の二種類があり、生産の高いハイブリットエンジンのベータ酸化+好気性解糖の代謝へスイッチさせることが最も重要になる。ハイブリットエンジンを働かせるには、①タンパク質を十分にとる。②糖質を控える。③鉄を十分量を取る。④補酵素となるビタミンを取る。⑤脂肪酸摂取を増やす。国が推奨する「栄養バランスガイド」は、最も多く取るべきは主食、次に野菜類で、主菜(肉・魚・卵・大豆)は、優先順位が低い扱いになっている。子どもの食事において重要なポイントは、「バランス」ではなく、「タンパク質の絶対量」である。子どもの問題行動を改善に導くためには、第一歩が、お母さんの栄養状態を改善する事にあり、子どもの食事は、基本的にお母さんが用意したもので成り立っていて、自分の子どもに質的栄養失調を感じた場合には、自分自身の体にも同じようなことが起きていると考えて間違いない。鉄不足の人は一様にタンパク質不足&糖質過多の傾向にあるため、共に暮らす子どもにも偏りが生じ、発達障害が顕著になる。日本では、女性のフェリチン基準値は5～157ng／gとされていいるが、欧米では100を下回った時点で、鉄不足と見なされる。鉄か足りないと精神を安定する神経物質が作られなくなるため、簡単にいうとキレやすくなる。他にも、●イライラしやすい。 ●ささいなことが気になる 。●疲れやすい。 ●目眩や立ちくらみがする。 ●朝、起きられない 。●やたら糖質を欲する。この症状は鉄不足を疑った方がいい。また、鉄不足の体は糖質を欲し、お母さんが鉄・タンパク質不足の状態にあると、お菓子などの糖質が増えて、質的栄養失調は続いていく。「薬物療法」に抱き続けている違和感について、脳内の神経伝達物質を調整する、「アトモキセン」(商品名・ストラテラ)や、「塩酸メチルフェニデート」(商品名・コンサータ)は、根本改善を促すのではなく、一時的に困り事を緩和するのみで、「治った」わけではなく、人によっては食欲不振や吐き気、頭痛、動悸、興奮、チック障害などの副作用を生じるばかりか、その実態は「覚醒剤」とほぼ同じである。これらの薬は、10年前には存在しなかった新薬で、臨床試験は8週間、長期投与は１年間、つまり、5年、10年の長期投与のエビデンスは、まだない。現代の医学には「先進国に住む人間の栄養素は満たされている」という前提があり、医学教育の現場でも栄養学や食事指導はノータッチの為に、質的栄養失調という問題そのものに気が付くことがない。鉄は体の隅々に酸素を運び、二酸化炭素を回収する赤血球の材料になる他、神経伝達物質やホルモンの働き、エネルギー代謝にとって大切な役割を担っている。妊娠期に母体の鉄が枯渇すると胎児の神経発達に影響を及ぼし、具体的には脳などの中枢神経系の発達に滞りが生じ、その影響は、●乳幼児の場合、首の据わりが遅い。●体重がなかなか増えない。●歩けるようになるのが遅い。●言葉が出るのが遅い。●身長の伸びが悪い。●かんしゃくを起こしやすく、いつもイライラ。●何をするにも無気力。●落ち着かない。●大幹が弱く、姿勢が悪い。●朝起きられず、日中にすぐに眠ってしまう。●頭が働かずにぼんやりとしている。●風邪をひきやすい。●アトピーや花粉症をなどアレルギーがある。質的栄養失調が子どもに与える影響には、〈問題行動〉●起立性調節障害(OD)●不登校〈発達障害〉●自閉症スペクトラム症／自閉症スペクトラム障害／アスベルガー症候群(ASD)●注意欠陥・多動性障害(ADHD)●学習障害(LD)がある。これまでたくさんの母子に栄養療法を勧めてきたが、全てのケースでお子さんより先に、お母さんの方が体調の変化に気が付き、自分自身で変化を体感し子どもの栄養療法にも熱が入る。オーソモレキュラーは、カナダの精神科医エイブラム・ホッファー博士によって広められた治療で、1960年代に統合失調症に対して「ナイシアン+ビタミンC」が有効であることを明らかにしている。しかし、医学界の権威と製薬業界によって情報をコントロールされ、アメリカ精神科医雑誌「American Journal of Psychiatry」は、それまで200本以上、ホッファー博士の論文を掲載していたが、ナイシアン+ビタミンCの有効性を明らかにしてから、突然、博士の論文は受理されなくなり、その他にも、ビタミンの投与で疾患によるさまざまな症状が軽減、あるいは改善するたびに、あらゆる手段でもみ消されている。さまざまな圧力に屈することなく研究を続けた博士の中に、「ルース・フリン・ハーレル」というアメリカ人女性の理学博士は、「栄養の欠如こそが、子どもの発達障害を引き起こす」と言い続けた。ハーレル博士は、口のきけない発達障害の七歳の男児に大量のビタミンとミネラルを投与、数週間後にさらにビタミンを増量したところ、急激に知能が上昇し始め、数日後には言葉を話すようになり、読み書きをし、9歳になり、通常通り小学校に通い始め、IQは90になった。ハーレル博士の功績は、社会に広まることなく、埋もれ、博士の娘ハーレル・キャップ教授がそのバトンを受け継ぎ、彼女はダウン症の子どもの知能に改善が見られたと1982年に発表した。三石巌先生、ハーレル博士、キャップ教授という３人の天才科学者たちは、そろって「ダウン症や知的障害患者は、補酵素(ビタミン)の確率的親和力が低い(大量にないビタミンの効果が得られない)ことから、改善のためにはメガビタミンが必要」という結論に至ったいる。私はこの先人の知恵「メガビタミン」に加えて「十分量の鉄・タンパク質」+「糖質制限」によって、現代日本の子どもたちの質的栄養失調は改善し、問題行動も解決されると確信している。動物性タンパク質を取ることで同時に鉄分補給もまかなえることができる。鉄剤と聞くと過剰摂取を心配される方も多いが、人の体には必要な量の鉄分だけを吸収するシステムが備わっていて、経口での投与・摂取であれば、鉄過剰症の心配は不要である。また、鉄分の吸収を阻害するタンニンの同時摂取は、コーヒー、緑茶や紅茶に豊富に含まれ、食後などにそれらを飲む習慣があれば控える。また、鉄は、ビタミンEと同時摂取すると吸収が悪くなり、時間をずらしての服用がポイントになる。離乳食にも、積極的に鉄とタンパク質を取り入れ、粉ミルクにも鉄が添加さるているものもあり、赤ちゃんは、栄養が満たされたときの変化は顕著で、ニコニコのご機嫌タイムが長く続く。子どもたちは10歳ごろから心は思春期に、体は第二次性微期(男女、それぞれに体の変化が表出する時期)へと突入し、このタイミングで、女の子の多くは月経が始まり、何も補給を心掛けなければ、初経から1～2年で鉄分は枯渇状態に陥る。男の子も、急激に体が大きくなっていく時期で、女の子と同様に鉄とタンパク質が必要になり、「体重(キログラム)×1.5」を目安にタンパク質をプラスしたい。第2章マンガで分かる問題行動を治す方法マンガで、発達障害、軽度の精神発達遅滞、パニック障害、摂食障害、ベックウィズ・ヴィーデマン症候群、ADHD、不安障害、ADHD+発達不良、アスペルガーで不登校、起立性調節障害、起立性調節障害、頭痛・腹痛、ADHD+ぜんそく、情緒不安定でアレルギーの患者さんを、改善している症例を解説している。ADHDと診断され、ストラテラやコンサータを処方されるが、これらの薬は、食欲低下を来して成長障害を引き起こす副作用があり、また、将来、統合失調症や双極性障害を発症するリスクを高める。おわりに栄養療法は、医学界の権威から無視をされ続け、時には攻撃をされてきた歴史があり、古くは1950年代のこと、冠動脈疾患と動脈硬化疾患に高容量のビタミンE(d-a-トコフェロール)が効くと発表したシャッツ博士の研究、統合失調症にナイシアン+ビタミンCが有効だというホッファー博士の論文、ビタミンCがガンに対して効果を発揮するというポーリング博士の論文も、全て闇に葬られてしまった。それ故若い医師たちは、過去の素晴らしい研究成果を知るきっかけすら得られず「病気は薬で治す」「栄養失調など存在しない」「ビタミンで治すことなどあり得ない」と医学部で教わったことばかりを信じてきた。私が向き合っているのは、医療業界、製薬会社ではなく、一般の患者さんたちである。最後に、著者が薦めるサプリメントを、紹介している。NOW FOODSナイアシンアミドNOW FOODS アイアンNature's Plus Chewable lronNOW FOODS B-5SOLARY Vitamin CNOW FOODS E-400素晴らしい内容で、巷には薬信者が多く、栄養療法で病気が治る訳が無いと思っている人が圧倒的で、医療業界は、権威のある立場に就いている連中ほど、栄養療法を知らずに、平気で栄養療法を批判していて、一体誰の為の栄養学・医療なのだろうか？実は、糖質制限食は、精神疾患だけではなく、膠原病や、アレルギー疾患、糖尿病、最近では、ガンにも有効と言われ出している。本当に今まで日本の医学会は一体何をやっていたのかと、呆れてしまう、是非、藤川先生は、日本一悪名高い医師として、揶揄されている、内海聡先生とコラボしてもらいたい。今後の藤川先生の活動を注目したい。非常にいい著書です。